リヒテンシュタイン展の概要
リヒテンシュタインの展覧会は2回目です。2012-2013年に「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」が、東京、高知、京都で開催されました。
私はこの展覧会は見ておりません。リヒテンシュタイン侯爵家も侯国のことも知りませんでした。
リヒテンシュタイン侯国は、スイスとオーストリアに囲まれたミニ国家のひとつです。面積は南北に25km、東西に6キkmと日本の小豆島とほぼ同じで、世界で6番目に小さい国とされています。2019年に建国300年を迎えました。
「世界で唯一、侯爵家(君主)の家名が国名となっているリヒテンシュタイン」とありますが、至宝は侯国ではなく侯爵家が所有するものです。個人蔵です。
優れた著述家でもあった、リヒテンシュタイン侯カー ル・オイゼビウス(1611-1684)は、「珍しいもので、良いもの、かつ美しく上品な事物にお金を費やすことは永遠かつ偉大で、最大の記念となろう」と記しました。
カー ル・オイゼビウス、カール1世の息子 ※展示はありません
これを家訓とし現在侯爵家には1,600点の絵画をはじめ彫刻、工芸品など計約3万点におよび、個人コレクションとしては英国王室に次ぐ規模となります。
展覧会を彩るのは、ペーテル・パウル・ルーベンスやルーカス・クラーナハ(父)、ヤン・ブリューゲル(父)らが描く侯爵家の肖像画、神話をモチーフとした絵画、花をモチーフとした静物画です。
さらに、日本や中国から伝わった陶磁器や、それに新たな装飾を加え発展した西洋の磁器など、約130点におよぶ美術作品が豪奢を競います。
リヒテンシュタイン侯爵家のコレクション
リヒテンシュタインの名称は、12世紀にドイツ系ボヘミア貴族のシュヴァルツェンベルク家のハインリヒが、ウィーンの南方マリア・エンツァースドルフに、リヒテンシュタイン城を築いたことに由来しています。
後に、ドナウヴェルトの地方貴族だったフーゴが、その城主であるハインリヒの娘と結婚します。相続してリヒテンシュタイン城の城主フーゴ・フォン・リヒテンシュタインとなりました。居城の名をとって家名としたのが始まりです。
マリア・エンツァースドルフのリヒテンシュタイン城
リヒテンシュタイン家の人々は、14世紀からはオーストリアの領主となったハプスブルク家に仕えました。
16世紀には、リヒテンシュタイン家のカール1世(1569-1627)が、ハプスブルク家の皇帝ルドルフ2世、およびその弟で後に皇帝となったマティアスに仕えます。1608年にはマティアスから侯爵の位をあたえられ、今日のリヒテンシュタイン侯爵家の創始となりました。
そしてこの頃すでに、侯爵家の人々はオーストリアだけでなくボヘミアでも収集家として活動していました。
しかし、芸術とその収集活動という領域においては、カール1世が侯爵家コレクションの設立者であると考えられています。
カール1世 ※展示はありません
カール1世が最初に仕えた神聖ローマ皇帝ルドルフ2世(1552-1612)は、自身の多方面にわたる興味に沿った芸術作品を収集することに、精力を傾けすぎたと批判されていました。
世界に存在する美と驚異を美術品陳列室(クンストカンマー)に凝縮するという思想を、カール1世はルドルフ2世から受け継ぎます。
「ルドルフ2世の驚異の世界展」で、ジュゼッペ・アルチンボルトが描いたルドルフ2世の肖像画
そして、北方マニエリスムの彫刻家アドリアーン・ド・フリース(1556-1626)へ《悲しみのキリスト》《聖セバスティアヌス》、またプラハでオッタヴィオとディオニシオ・ミゼローニへピエトラ・ドゥーラ(貴石象嵌細工)作品の注文をしました。
コジモ・ディ・ジョヴァンニ・カストルッチ、ディオニシオ・ミゼローニ、 ジュリアーノ・ディ・ピエロ・パンドルフィーニ工房《貴石象嵌細工のチェスト》※展示はありません
ヨハン・アダム・アンドレアス1世(1657-1712)は、1699年にスイス国境のシェレンベルク男爵領を、1712年にその南に位置するファドゥーツ伯爵領を購入しました。
ヨハン・アダム・アンドレアス1世 ※展示はありません
1719年、アントン・フローリアン1世(1656-1721)の代になり、リヒテンシュタイン家の所有するこれらの所領は、 神聖ローマ皇帝カール6世(1685-1740)によって帝国に属する領邦国家、リヒテンシュタイン侯国として認められ、当時のドイツに数多く存在していた領邦のひとつとなりました。
今日まで続くリヒテンシュタイン侯国は、こうして2019年に建国300年を迎えることができたのです。
現在のリヒテンシュタイン侯爵家のコレクションの中核をなす部分は、ヨハン・アダムの時代に収集されたものです。
また、ウィーン市内に2つの華麗な宮殿、リヒテンシュタイン都市宮殿(リヒテンシュタイン・シティパレス)とリヒテン シュタイン庭園宮殿(リヒテンシュタイン・ガーデンパレス)を建設したことでも知られています。
リヒテンシュタイン都市宮殿(リヒテンシュタイン・シティパレス)
リヒテン シュタイン庭園宮殿(リヒテンシュタイン・ガーデンパレス)
ヨハン・アダムは自らが所有する大規模なルーベンス作品コレクションの中核として、1693年にアントワープから《デキウス・ムス連作》を購入しました。
さらに《鏡の前のヴィーナス》、芸術家の娘を描いた《クララ・セレーナの肖像》、息子の《アルバートとニコラウスの肖像》を獲得しています。
今日侯爵家コレクションにある、バロック期の画家ヴァン・ダイク作品の大部分も彼が購入したもので、その中には《マリア・デ・タシスの肖像》のような重要な作品も含まれていました。
ペーテル・パウル・ルーベンス《占いの結果を問うデキウス・ムス》※展示はありません
ペーテル・パウル・ルーベンス《鏡の前のヴィーナス》※展示はありません
アンソニー・ヴァン・ダイク《マリア・デ・タシスの肖像》※展示はありません
リヒテンシュタイン侯爵家の芸術作品収集活動には繰り返し転機が訪れました。そのことで、コレクションに新風を吹き込みましたが、苦痛をもたらすこともありました。
ヨーゼフ・ヴェンツェル1世(1696 – 1772)は、中欧のコレクションとしては新たな趣味であったフランス芸術を愛好し、絵画や装丁芸術、工芸品によってコレクションを拡張しています。
ヨハン1世・ヨーゼフ(1760-1836)は1807年に、ウィーンで当時すでに放置されていた 、ふたつのバロック宮殿の大改革を命じました。
ヨハン1世・ヨーゼフ ※展示はありません
ヨハン1世はまず都市宮殿の近代化のために、誇大妄想的(メガロマニア)な計画を考案します。
ヴェネ ツィア派画家アントーニオ・ベルッチによる天井画も1807年以降取り外され、都市宮殿と同様に長年顧(かえり)みられていなかった夏の離宮に順次移されています。
彼はまたギャラリーも都市宮殿から夏の離宮へと移動させ、ウィーンの一般市民に公開しました。
1810年に有料で一般公開が始まり、1938年のナチスによるオーストリア併合まで続けられています。
ヨハン2世(1840-1929)は自らの完全に個人的な趣味に従い、侯爵家コレクションから全ての裸体作品と暴力的な作品を排除しようとしました。
ヨハン2世 ※展示はありません
そうして侯爵家コレクションから放出された作品の中には、ヨハン・アダムが購入したルーベンスの初期作品《サムソンとデリラ》(1881年にパリでオークションにかけられ、現在ロンドンのナショナル・ギャラリー蔵)や《幼児虐殺》(1921年売却、現在オンタリオ美術館蔵)が含まれています。
ペーテル・パウル・ルーベンス《サムソンとデリラ》※展示はありません
ペーテル・パウル・ルーベンス《幼児虐殺》※展示はありません
ヨハン2世は、侯爵家コレクションにおける同時代芸術の収集活動を中断しました。
この収集方針は100年以上に渡って引き継がれたため、これまでのコレクションの伝統は絶たれてしまいました。
彼の時代には新しい事物を取り入れるより、古い物を守る行いが目立つようになります。
また彼は、ベルリンの美術史家ヴィルヘルム・フォン・ボーデ(1845-1929)の指導のもとで収集活動を行なっていました。
ボーデの助力により、調度品やタペストリー、工芸品、彫刻、絵画を同じ空間に展示することで、貴族の家系によるコレクションにふさわしい気品に満ちた温かな雰囲気が生み出され、リヒテンシュタインのコレクションの特徴となりました。
家系発祥の地ともいえるリヒテンシュタイン城やファドゥーツ城の現在の姿も、ヨハン2世の歴史的な再建事業の結果でした。
フランツ・ヨーゼフ2世(1906-1989)は、生活の基盤をウィーンやモラヴィア(現チェコ、レドニツェ)からリヒテンシュタイン侯国へと移しました。
フランツ・ヨーゼフ2世
芸術作品コレクションもその出生地からファドゥーツ城へと移送されることとなり、以来ファドゥーツがコレクションの所在地となります。
ファドゥーツ城
左からファドゥーツ城、リヒテンシュタイン城、シティーパレス、ガーデンパレス
リヒテンシュタイン公国は第一次世界大戦(1914-1918)に参加せず、中立を宣言しました。
第二次世界大戦(1939-1945)で再び中立を維持しました。しかし、戦後にはチェコスロバキアとポーランドは、リヒテンシュタイン家が1938年までウィーンに居住したことを理由に、その資産をドイツの所有物とみなします。
そして、ボヘミア、モラヴィア、シレジアにある世襲領土や資産を没収しました。これによりリヒテンシュタイン家はいくつかの居城と宮殿、農地や森を奪われました。
戦後のリヒテンシュタイン公国は経済状況が思わしくなく、リヒテンシュタイン家が所有していた芸術品を度々売りに出すことになりました。
犠牲になった作品の中でもっとも有名なのは、レオナルド・ダ・ヴィンチによる《ジネヴラ・デ・ベンチの肖像》(1967年売却、現在ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵)です。
また、フランス・ハルツによる等身大の《ウィレム・ファン・ヘイタイゼンの肖像》も(1969年売却、バイエルンの州立絵画コレクション蔵)売却されます。
しかし、この絵画が、侯爵家コレクションが手放さなければならなかった最後の作品となりました。
レオナルド・ダ・ヴィンチに《ジネヴラ・デ・ベンチの肖像》※展示はありません
フランス・ハルツ《ウィレム・ファン・ヘイタイゼンの肖像》※展示はありません
1984年以降侯国を治めることになるハンス=アダム2世(1945-)が主導したコレクションの慎重な売却と、並行して実施されていた経済力の強化とにより以降は作品の売却に頼らずにすむようになったからです。
ハンス=アダム2世
ハンス=アダムは、父の在世中の1977年にはすでにルーベンスの《マルスとレア・シルヴィア習作》を再びコレクションの重要な新規購入品としています。
ペーテル・パウル・ルーベンス《マルスとレア・シルヴィア》※展示はありません
また、新規に作品を購入することによってもコレクションを拡張し、整理することができました。
クエンティン・マセイス(1466-1530)の《徴税吏たち》や、ハンス・フォン・アーヘン(1552-1615)による《狩りの後休息するディアナとニンフたち》が、コレクション全体に広がりを持たせています。
クエンティン・マセイス《徴税吏たち》※展示はありません
ハンス・フォン・アーヘン《狩りの後休息するディアナとニンフたち》※展示はありません
また、フランス・ハルス(1582-1666)の《男性の肖像》や、ヤン・ファン・ハイスム(1682-1749)の花の静物画の購入、そしてアドリアーン・ファン・オスターデ(1610-1685)の《納屋の農民の踊り》の買い戻しは、侯爵家コレクションに際立ったオランダ絵画コレクションを加えました。
フランス・ハルツ《男性の肖像》※展示はありません
ヤン・ファン・ハイスム《陶製花瓶の花》※展示はありません
アドリアーン・ファン・オスターデ《納屋の農民の踊り》※展示はありません
最終的には、古典主義や日常的な場面を描く小市民的な趣味の様式であるビーダーマイヤーの作品コレクションも拡大されました。
フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー(1793-1865)の《幼き日のオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世、おもちゃの兵隊を連れた歩兵としての肖像》《磁器の花瓶の花、燭台、銀器》。
そしてフランチェスコ・アイエツ(1791-1882)による《復讐の誓い》といった作品が、今日では侯爵家コレクションで新たな輝きを放っています。
フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー《幼き日のオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世、おもちゃの兵隊を連れた歩兵としての肖像》※展示はありません
フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー《磁器の花瓶の花、燭台、銀器》
フランチェスコ・アイエツ《復讐の誓い》※展示はありません
ハンス=アダムの30年以上にもわたる収集活動において、重要な作例の新規購入が最も盛んだったのはブロンズ作品でした。
アンドレア・マンテーニャ(1431-1506)の《聖セバスティアヌス》(2001年購入)、アンティーコによる大型の《マルクス・アウレリウスの胸像》(2016年購入)などです。
アンドレア・マンテーニャ《聖セバスティアヌス》※展示はありません
アンティーコ《マルクス・アウレリウスの胸像》※展示はありません
こうしたブロンズ作品に関してと同じことが、ピエトラ・ドゥーラ(貴石象嵌細工)コレクションにもあてはまります。
2004年ロンドンにおけるオークションでの《バドミントン・キャビネット》の取得により、コレクションに新たな芯が生まれました。
家具コレクションは、今日では展示の目玉ともなっているバロックや古典主義、ビーダーマイヤーに製作された質の高い黒壇家具(こくたんかぐ)の購入により拡張されています。
ガレリア・デイ・ラヴォーリ(大公の工房)、 バッチョ・カペッリ、 ジロラモ・ティッチャーティ 《バドミントン・キャビネット》
リヒテンシュタイン展の見どころはここ
リヒテンシュタイン侯爵家の歴史と貴族の生活
リヒテンシュタイン家の日常は、数百年にわたって続く宮廷的な生活様式が特徴です。
宮廷での生活では、音楽も重要な役割を果たしていました。アロイス1世 (1759-1805)の音楽好きは際立っており、演奏の質が落ちることを恐れるあまり倹約計画が何度も挫折したほどでした。
《リヒテンシュタイン侯ヨーゼフ・ヴェンツェル1世 》
フランチェスコ・ソリメーナに帰属 1725年
ヨーゼフ・ヴェンツェル1世が、1739年に加入が認められた金羊毛騎士団(きんようもうきしだん)の記章をつけて正装したものです。29歳で兵士としての出発点にいたころのものです。
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna
《リヒテンシュタイン侯フランツ1世 、8歳の肖像》
ヨーゼフ・ノイゲバウアー 1861年
1929年に、フランツ1世は兄ヨーハン2世の死去により即位します。同年、兄に長く交際、を反対されていたユダヤ系女性エルザ・フォン・グートマンと結婚しました。
子どもがいなかったために、姉ヘンリエッテの孫であるフランツ・ヨーゼフ2世が後を継ぎました。
《優雅な宴(うたげ)》
ヨハン・ゲオルク・ブラッツアー 1736年
宗教画
キリスト教芸術において3世紀以来好まれたのは、聖母マリアを表現した作品でした。 13世紀イタリアには、玉座に座る聖母の表現が出現ます。
聖人をともなった聖母は多翼祭壇画の一部を構成することになりました。 後には彼女の謙譲の精神の表現として、地面に座る姿で風景の中に配置され人間化されていきます。
《聖母子》
マルコ・バザイーティ 1500年頃
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna
《聖バルバラ》
ルーカス・クラーナハ(父) 1520年以降
聖女バルバラは、キリスト教の聖人伝集『黄金伝説(レゲンダ・アウレア)』の中で、14人の救難聖人のひとりに数えられています。
彼女は純潔を守るため父によって塔に幽閉されます。また、キリスト教を棄てることを拒んだため、数々の拷問の後斬首されて命を落としてしまいます。
侯爵アロイス2世が購入したこの作品は、かつては三連祭壇画の左翼パネルだったと考えられています。
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna
神話画・歴史画
数百年の間、古典古代の神や英雄の説話を題材とした芸術作品は、宗教画と同じほど、リヒテンシュタイン侯爵の興味をそそり収集されてきました。
《ペルセウスとアンドロメダ》
ペーテル・パウル・ルーベンスと工房 1622年以降
侯爵家コレクションが所有するこの作品は、現在ベルリンの国立絵画館が所蔵しているルーベンス本人の手で描かれた絵画をもとにして工房で制作されたものです。
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienn
《絵皿「リュートを弾くクピド」》
ウィーン窯・帝国磁器製作所
モーリッツ・ミヒャエル・ダフィンガー
原画:ロッソ・フィオレンティーノ
1806年頃
有名な絵画のコピーが描かれた絵皿は、芸術愛好家や教養ある人々が集まる食卓で実際にデザート皿として使用されることを前提に作られました。が、またコレクション品としても保管され、称賛されていました。
絵付師ヨハン・レオポルト・ダフィンガーは、彼独自の解釈によってロッソ・フィオレンティーノの原画に、いくつか変更を加えています。
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna
磁器―西洋と東洋の出会い
ヨーロッパの王侯貴族は、東洋陶磁を装飾品や実用品として愛好しました。
中国の景徳鎮窯と日本の有田窯の製品が混在して並べられることが多く、東洋陶磁を細かく分別されることは稀でした。
展覧会には、東洋の陶磁器にヨーロッパで金具を取り付けられた作品が展示されています。
金具を取り付けることでより一層豪華となり、また壺をベースにしてキャンドルスタンドとして転用することも盛んに行われました。
《染付花鳥文金具付壺》
景徳鎮窯(けいとくちんよう)
金属装飾:イグナーツ・ヨーゼフ・ヴュルト
磁器:青の下絵付、順治〜康熙年間(1644- 1723)
金具:鍍金されたブロンズ 1775/1785年
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna
ウィーンの磁器工房
1718年に開業したウィーン磁器製作所は、近年設立から300周年を迎えました。 1710年に設立されたマイセンに続いて、ヨーロッパで2番目の磁器工房です。
最終的にアウガルテンへと移転し、1923年以来同地でウィーン磁器工房アウガルテンの名で磁器製作活動を引き継いでいます。
《カップと受皿(トランブルーズ)》
ウィーン窯 デュ・パキエ時代 1725年頃
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna
《馬狩文八角皿(リヒテンシュタインの ディナーセット)》
ウィーン窯 デュ・パキエ時代 1730−40年頃
大きなパーティーなどでは、磁器のような高価で新しい素材による大規模な設えが必要とされていて、貴族は自らの菓子工房だけでなく自前の銀器や磁器も揃えていなければなりませんでした。
《カウニッツ=リートベルク侯ヴェンツェル・アントンの肖像のある嗅煙草入》
ウィーン窯・帝国磁器製作所 ゾルゲンタール時代 1785年頃
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna
風景画
16世紀最後の数十年間に、風景画は背景から独立しひとつの絵画分野となりました。
《市場への道》
ヤン・ブリューゲル(父) 1604年
ヤン・ブリューゲル(父)は若いころから小型の風景画に取り組んでいました。また花の静物画も描いており、それによって後に「花のブリューゲル」と呼ばれることになります。
彼が描いた風景画と花の静物画は、収集家たちから熱心に求められたため、ブリューゲルはもっとも模倣され、またもっとも贋作が作られる画家となりました。
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna
花の静物画
《磁器の花瓶の花、燭台、銀器》
フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー 1839年
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna
リヒテンシュタイン展の音声ガイドは俳優の小泉孝太郎さん
小泉さんは「一枚の絵画やひとつの陶磁器の前に立ったときに、宝石箱に包まれるような贅沢な時間を味わって欲しい。
忙しい日常を忘れて旅に行く感覚になれると思うので、沢山の方に足を運んでいただきたい」と話しています。
所要時間 = 約35分
当日貸出価格 = 550円(税込) ※お一人様一台につき
リヒテンシュタイン展のグッズがおしゃれすぎる
たくんあるオリジナルグッズの一部です。価格はすべて税抜です。
ケーキディッシュ 1,800円
左:《絵皿:リュートを弾くクピド》 右:《トランプが描かれたカップと受け皿》より
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ハーバリウムペン 各2,800円
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タンブラー 1,200円
左:《金地薔薇文カップと受け皿》より 右:《黒ブドウのある花の静物》
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トートバッグ 3,800円
《黒ブドウのある花の静物》より
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#リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展
(おまけ)
ショップで見かけた絵皿「リュートを弾くクピド」がとても愛らしかったからおうちに連れて帰りました😊原画はルネサンスの画家、ロッソ・フィオレンティーノ。実物を正確に再現しているとお店の方から伺いました。可愛いお土産です👼💕#Bura_Bi_Now pic.twitter.com/BXwsZe5fJn— masa_giorno (@masagiorno) December 22, 2019
#リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展 の横、LES DEUX MAGOTS PARISでコラボメニューを…
チョコレートを額縁に、エディブルフラワーを絵画に見立てたオシャレすぎるスイーツをいただきました(●´)З`)))モグモグ pic.twitter.com/onQauR5zo9— 蘇芳(スゥ)@審神者/Grand Order (@withrilakkuma_S) December 17, 2019
リヒテンシュタイン展の図録はここがすごい
宝石箱になぞらえたようにコンパクトなサイズです。
多くは1ページに1作品が掲載されています。しかし、作品全体を小さな紙面に収めると、細部が損なわれてしまいます。そのため何点かは2ページで1作品とし、片側のページに全体を、対向ページにその部分の拡大を添えています。
拡大したページは、もとのページをルーペで覗いたようです。中には、実物より大きく扱われているものもあります。全体と部分とを比較して見ると、どの作品にも新たな発見があります。
裏表紙の花は《金地薔薇文カップと受皿》から摘みました。
フェルディナント・エーベンベルガー《金地薔薇文カップと受皿》
ハードカバー/ 205 × 205mm/ カラー/ 270ページ
価格=2,300円(税別)
リヒテンシュタイン展の混雑状況はここをみる
混雑状況は、展覧会や美術館のツイッターで知ることができます。
災害などによる臨時休館や、イベント情報などもリアルタイムで分かります。
東京富士美術館
Follow @tokyofujibi
宮城県美術館
Follow @miyagi_bijutu
広島県立美術館
Tweet to @H_pref
【臨時休館延長のお知らせ】当館では、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため、3/2〜3/31の期間を臨時休館としておりましたが、当面の間、臨時休館の期間を延長することといたしました。開館につきましては、あらためて当館HP、公式Twitter、Facebook等でお知らせいたします。
— 東京富士美術館 (@tokyofujibi) March 29, 2020
ビッグデータから解析するサイトを見ます。
リヒテンシュタイン展のチケットはいくら?
Bunkamura ザ・ミュージアム
当日券
一般 1,600円 / 大学生・高校生 1,000円 / 中・小学生 700円
前売・団体券
一般1,400円 / 大学生・高校生 800円 / 中・小学生 500円
団体は20名以上
学生券をお求めの場合は、学生証のご提示をお願いいたします(小学生は除く)
障がい者手帳のご提示で割引料金あり、詳細は窓口でお尋ねください
宇都宮美術館
当日券
一般 1,000円 / 大学生・高校生 800円 / 中・小学生 600円
団体券
一般 800円 / 大学生・高校生 640円 / 中・小学生 480円
団体は20名以上
身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳の交付を受けている方とその介護者1名は無料
宇都宮市在学または在住の高校生以下は無料です
毎月第3日曜日(1月19日、2月16日)は「家庭の日」、高校生以下の方を含むご家族が来館された場合、企画展観覧料が一般・大学生は半額、高校生以下は無料です
大分県立美術館
当日券
一般 1,200円 / 大学生・高校生 800円 / 中学生以下無料
団体券
一般 1,000円 / 大学生・高校生600円 / 中学生以下無料
団体は20名以上
大分県芸術文化友の会 びびKOTOBUKI無料(同伴者1名半額)、TAKASAGO無料、UME団体料金
障がい者手帳等をご提示の方とその付添者1名は無料
学生の方は入場の際、学生証をご提示ください
東京富士美術館
通常料金(税込)
大人 1,300円/ 大学・高校生 800円/ 中学・小学生 400円/ 未就学児 無料
各種割引料金(税込)
大人 1,000円/ 大学・高校生 700円/ 中学・小学生 300円/ 未就学児 無料
※新館常設展示室もご覧になれます
※土曜日は中小生無料
※各種割引料金[20名以上の団体・65歳以上の方・当館メルマガ登録者ほか]
※障がい児者、付添者1名は通常料金の半額[証明書をご呈示下さい]
※誕生日当日にご来館された方はご本人のみ無料 [証明書をご提示下さい。休館日の場合は適用できません]
※天候により臨時休館とさせていただく場合がございます
宮城県美術館
未定
リヒテンシュタイン展の巡回先はここ
Bunkamura ザ・ミュージアム
2019年10月12日(土)~12月23日(月)
〒150-8507 東京都渋谷区道玄坂2-24-1
アクセス
○JR線「渋谷駅」ハチ公口より徒歩7分
○東京メトロ銀座線、京王井の頭線「渋谷駅」より徒歩7分
○東急東横線・田園都市線、東京メトロ半蔵門線・副都心線「渋谷駅」A2出口より徒歩5分
○京王井の頭線「神泉駅」北口より徒歩7分
開館時間
10:00-18:00(入館は17:30まで)
毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
お問い合わせ
ハローダイヤル 03-5777-8600(8:00~22:00)
宇都宮美術館
2020年1月12日(日)~2月24日(月・祝)
〒320-0004 栃木県宇都宮市長岡町1077
アクセス
自動車
○東北自動車道「宇都宮インターチェンジ」から約10km、「鹿沼インターチェンジ」から約14km
○北関東自動車道「上三川インターチェンジ」から約19km
鉄道・バス
○JR東北新幹線「JR宇都宮駅」下車、JR宇都宮駅西口5番バス乗場から関東バス「豊郷台・帝京大学経由宇都宮美術館」行き終点下車(約25分)
○JR宇都宮駅よりタクシーをご利用の場合は約20分
開館時間
9:30~17:00
※入場は16:30まで
休館日
毎週月曜日(祝休日は開館)
※ただし1月13日(月・振休)、2月24日(月・振休)は開館し、1月14日(火)は休館
お問い合わせ
公益財団法人うつのみや文化創造財団 宇都宮美術館
Tel. 028-643-0100 (9:30~17:00)
Fax.028-643-0895
大分県立美術館 3月6日(金)~4月19日(日)
〒870-0036 大分市寿町2番1号
アクセス
JR大分駅府内中央口(北口)から
バス
○JR大分駅前7番乗り場から、大分交通バス 青葉台線(田室町経由)23番、24番/県立図書館線(田室町経由)3番/スカイタウン高崎線(西春日町経由)8番に乗車、「オアシスひろば前」下車 徒歩すぐ
○JR大分駅府内中央口7番乗り場、またはJR大分駅上野の森口前から、中心市街地循環バス「大分きゃんばす」に乗車、「オアシスひろば前(県立美術館南)」下車 徒歩すぐ
徒歩
○セントポルタ中央町、竹町商店街 経由で約15分
開館時間
10:00~19:00 金曜日・土曜日は20:00まで
入場は閉館の30分前まで
休館日
原則無休
館内点検等による臨時休館を除く
お問い合わせ
大分県立美術館(指定管理者)
Tel. 097-533-4500
Fax.097-533-4567
E-mail info@opam.jp
企画振興部 芸術文化スポーツ振興課 芸術文化企画班(県庁内施設所管課)
Tel. 097-506-2058
Fax.097-506-1725
東京富士美術館 5月2日(土)~7月5日(日)
〒192-0016 東京都八王子市谷野町492-1
アクセス
○JR八王子駅 北口
始発から12:29発までは
西東京バス14番のりばより
創価大正門東京富士美術館行き
創価大学循環
「創価大正門東京富士美術館」で下車
12:31発以降は
(ひよどり山トンネル経由)西東京バス12番のりばより
創価大正門東京富士美術館行き
創価大学循環
(八日町経由)西東京バス11番のりばより
創価大学循環
いずれも「創価大正門東京富士美術館」で下車
○京王八王子駅
西東京バス4番のりばより
創価大正門東京富士美術館行き
創価大学循環
「創価大正門東京富士美術館」で下車
○JR拝島駅 ※1時間1本程度運行
西東京バス3番のりばより
工学院大学(高月経由)行き、「創価大正門東京富士美術館」で下車
純心女子学園行き、「純心女子学園」で下車、徒歩10分
○JR秋川駅 ※1時間1本程度運行
西東京バス2番のりばより
京王八王子駅(サマーランド、ひよどり経由)行き、「純心女子学園」で下車、徒歩10分
○中央道八王子インターチェンジ
第2出口より八王子市街方面へ進み、国道16号に合流。
三つ目の信号(谷野街道入口)を右折、直進し、二つ目の信号(谷野町)を右折
○圏央道あきる野インターチェンジ
圏央道あきる野インターチェンジを左折し直進
丹木1丁目芦沢交差点を右折し直進
開館時間
10:00〜17:00
入場は16:30まで
休館日
毎週月曜日
祝日、振替休日の場合は開館 翌火曜日は振替休館
年末・年始
展示替期間
お問い合わせ
Tel.042-691-4511
Fax.042-691-4623
宮城県美術館 7月14日(火)~9月6日(日)
〒980-0861 仙台市青葉区川内元支倉34-1
アクセス
○地下鉄
仙台市営地下鉄東西線「国際センター駅」西1出口から北へ徒歩7分、「川内駅」北1出口から東へ徒歩7分
○路線バス
仙台市営バス
仙台駅西口バスプール9番乗り場より、
730系統:川内営業所前行
739系統:(広瀬通経由)交通公園循環
のいずれかに乗車、「二高・宮城県美術館前」下車徒歩3分(仙台駅より約15分)
○るーぷる仙台
仙台市内の観光スポットを結ぶ循環型バス
当館の最寄りには「国際センター駅・宮城県美術館前」と「二高・宮城県美術館前」の2度停車します
○高速道路
東北自動車道「仙台宮城I.C.」より仙台市街方面(仙台西道路)に入り、仙台城跡方面を経由して美術館へ(I.C.より約15分)
開館時間
10:00〜17:00
入場は16:30まで
休館日
毎週月曜日
月曜日が祝日の場合その翌日
お問い合わせ
Tel.022-221-2111
Fax.022-221-2115
E-mail bijutu @ pref .miyagi .lg.jp
広島県立美術館 9月18日(火)~11月29日(日)
〒730-0014 広島市中区上幟町2-22
アクセス
○バス
JR広島駅新幹線口からひろしま観光ループバス「ひろしまめいぷる~ぷ」オレンジルート乗車→「県立美術館前(縮景園前)」下車
○路面電車
JR広島駅南口Aホーム1・2・6番乗車→「八丁堀」乗り換え→白島線電車「縮景園前」下車すぐ
開館時間
9:00~17:00
(入場は閉館の30分前まで)
2020/4/1~2019/10/20までの金曜日は20:00まで開館
2020/10/21~2020/3/31までの金曜日は19:00まで開館
休館日
月曜日、年末年始(12/25~1/1)
お問い合わせ
Tel.082-221-6246
Fax.082-223-1444