小村雪岱スタイルの概要
小村雪岱(こむらせったい 1887-1940年)は、大正から昭和初期の日本画家、版画家、挿絵画家、装幀家、舞台美術家です。
1914(T3)年、27歳のとき、泉鏡花(いずみきょうか)作『日本橋』の装幀を手掛けました。1933(S8)年には、朝日新聞に連載された邦枝完二作『おせん』の挿絵で、雪岱の名が広く一般に知られ「昭和の春信」と称されるまでになりました。
展覧会では雪岱の作品をはじめ、江戸時代の絵師鈴木春信の錦絵、明治時代の工芸作品から柴田是真(しばたぜしん)の漆工芸、並河靖之の七宝など、さらに現代作家による工芸作品を通し、江戸の粋から東京モダンへの道筋をたどります。
上図は私がはじめて見た雪岱です。静岡県掛川市の資生堂アートハウスで、2014年に開催された「小村雪岱展 挿絵、装幀、雪岱版画」のチラシです。
今回の展示作品の多くは京都市の清水三年坂美術館からですが、雪岱は5年ほど資生堂に勤めていたことがあり同社に作品を残しました。
チラシのビジュアルには、今回と同じ《青柳》が使われています。通常のチラシはA4サイズに納めますが、こちらは判型のまま縦長になっているのが特徴です。タイトル「小村雪岱展」は、雪岱が資生堂時代に手がけた書体が使われています。
図録の販売はないようなので、帰宅後検索して『小村雪岱画譜』を購入しました。1962年に龍星閣から刊行された第二刷で、定価580円とありました。
『小村雪岱画譜』初版は1956年 ※展示はありません
小村雪岱は、1887(M20)年、埼玉県川越市郭町に父小村繁門(しげかど)、母もんの長男として生まれました。本名は泰助です。
1891(M24)年に父が病気で亡くなり、翌年母が小村家より離縁されたため幼くして両親を失い、父の実弟小村萬吉に養育されることになりました。
その後川越に居を移し、13歳で坂戸尋常高等小学校を卒業。14歲で親戚を頼って上京します。
1903(M36)年、16歳のときに画家を志して荒木寛畝(あらきかんぽ)の画塾に入門しました。翌年には、東京美術学校日本画科選科に入学を果たします。
在学中は下村観山(しもむらかんざん)教室で指導を受け、1907(M40)年、20歳のときに泉鏡花と出会います。「雪岱」という画号は鏡花から授かりました。
1908(M41)年に東京美術学校を卒業、美術史の学術雑誌を刊行する國華社に入社し、古画の模写に従事します。2年後に退社します。
1914(T3)年、27歳のときに泉鏡花の『日本橋』の装幀を行ない、装幀家としてデビューします。以後、300以上の装幀を手がけます。
泉鏡花 『日本橋』1914(T3)年 千章館
1918(T7)年、31歳のときに資生堂意匠部に入社し、和風のデザインを担当します。
1922(T11)年、里見弴(さとみとん)の『多情仏心』の連載で挿絵家としてもデビューします。
1923(T12)年、資生堂意匠部でチーフデザイナー矢部季(やべすえ)と「資生堂書体」の原型を作ります。資生堂意匠部を退社します。
1923(T12)年、37歳のとき、はじめて舞台装置を手がけます。この菊池寛作「忠直卿行状記(ただなおきょうぎょうじょうき)」で主演した守田勘弥(もりたかんや)の信頼を得て、以後、歌舞伎や新派など200以上の舞台装置担当します。
1933(S8)年、46歳のとき、朝日新聞に連載された邦枝完二作『おせん』の挿絵は雪岱を人気挿絵画家に押し上げました。
1940(S15)年、脳溢血で倒れ、満53歳で死去します。
小村雪岱スタイルのみどころはここ
小村雪岱 肉筆画・木版画
赤とんぼ 1937(S12)年頃
おせん 暮 1941(S16)年頃
蛍 1942(S17)年
青柳 1941(S16)年頃
雪の朝 1941(S16)年頃
小村雪岱 装幀本
泉鏡花『斧琴菊(よきこときく)』1934(S9)年 昭和書房
小村雪岱 挿絵原画
吉川英治『遊戯菩薩』『サンデー毎日』連載 1935(S10)年
矢田挿雲 『忠臣蔵』『報知新聞』連載 1938(S13)年
小村雪岱スタイルのインスタ映えスポットはここ
小村雪岱スタイルの混雑状況はここをみる
混雑状況は、グーグルマップの左カラムにある「混雑する時間帯」で、曜日ごとに知ることができます。下方にあるマップから「拡大地図を表示」か、グーグルマップで「山口県立美術館」「三井記念美術館」「富山県水墨美術館」をそれぞれ検索して開きます。
小村雪岱スタイルの図録はここがすごい
【展覧会図録のご紹介】
開催中の「小村雪岱スタイル 江戸の粋から東京モダンへ」展の図録の装幀は、表が「青柳」、裏が「おせん 雨」で表情ががらりと異なります。装幀家としても活躍した雪岱、魅力的な表紙は充実した中身をより引き立てます。ぜひお手に取ってご覧くださいね。 pic.twitter.com/1v3NOsMLjH— 岐阜県現代陶芸美術館 (@gpmomca) January 29, 2020
ハードカバー/ W195mm × H265mm/ モノクロ・カラー/ 222ページ
価格:2,750円(税込み)
小村雪岱スタイルのグッズがかわいすぎる
【展覧会グッズ】
開催中の「小村雪岱スタイル 江戸の粋から東京モダンへ」展の数あるグッズの中から、ポストカード、クリアファイル、トートバッグをご紹介します。クリアファイルはA4・A5サイズ、表と裏で柄が異なります。プレゼントにされる方も多いですよ。ぜひチェックしてみてくださいね! pic.twitter.com/V5wgshc1Pw— 岐阜県現代陶芸美術館 (@gpmomca) January 31, 2020
12月21日から岐阜県現代陶芸美術館で「小村雪岱スタイル」展が開催
それを記念して12月28日発売の和樂では大正昭和に活躍した日本画家で装丁家でもあった小村雪岱(こむらせったい)のポストカードを付録につけます。その刷り出しをチョイ見せ。とっても可愛い雪岱のポストカード、お買い求めください84 pic.twitter.com/6J43We1Ucv
— 和樂(雑誌)公式 (@warakumagazine) December 20, 2019
小村雪岱スタイルのチケットはいくら?
山口展
東京展
富山展
小村雪岱スタイルの割引はいろいろある
小村雪岱スタイルの会場・巡回先はここ
山口展 2021年度以降に延期
山口県立美術館
〒753-0089 山口県山口市亀山町3-1
Tel.083-925-7788 Fax. 083-925-7790
開館時間
9:00~17:00(入館は16:00まで)
休館日
月曜日(祝日・休日の場合は開館)
年末年始、展示替え、館内整備等による臨時休館期間
アクセス
電車
JR「新山口駅」から山口線に乗り換え「山口駅」下車、徒歩約15分
○JR新山口駅から
防長バス山口方面行きで約30分(美術館前、市役所前もしくは県庁前下車)
JRバス山口方面行きで約40分(県庁前下車)
○JR防府駅から
JR バス山口方面行き(米屋町もしくは美術館前下車)で約35分
防長バス山口方面行き(米屋町下車)で約30分
○広島バスセンターから
防長バス山口方面行き(西京橋下車)で約3時間
○山陽自動車道 防府東ICから車で約25分
○中国自動車道(広島方面から) 山口ICから車で約15分
○中国自動車道(九州方面から) 小郡ICから車で約25分
※駐車場は亀山公園駐車場及び美術館周辺の各駐車場をご利用ください。
※県庁駐車場は土・日曜、祝日のみ開放となります。
東京展 2021年2月6日(土)~4月18日(日)
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町2丁目1-1 三井本館7階
Tel.050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間
11:00~16:00 (入館は15:30まで)
※2020年7月1日(水)より当面の間、開館時間を短縮いたします。
休館日
月曜日
※臨時休館日有り
アクセス
メトロリンク日本橋(無料巡回バス)乗降所「三井記念美術館」徒歩1分
東京メトロ銀座線「三越前駅」【A7出口】より徒歩1分
東京メトロ半蔵門線「三越前駅」徒歩3分【A7出口】より徒歩1分
東京メトロ銀座線・東西線「日本橋駅」【B9出口】より徒歩4分
都営浅草線「日本橋駅」徒歩6分【B9出口】より徒歩4分
JR「東京駅」【日本橋口】より徒歩7分
JR「神田駅」より徒歩6分
JR総武快速線「新日本橋駅」より徒歩4分
富山展 2021年4月下旬~6月予定
〒930-0887 富山市五福777番地
Tel.076-431-3719
Fax.076-431-3720
開館時間
9:30~18:00(入館は17:30まで)
休館日
月曜日(祝日を除く)
祝日の翌日
年末年始
臨時休館日
アクセス
JR富山駅南口から
市内電車
○大学前行「富山トヨペット本社前(五福末広町)」下車、徒歩約10分
ぐるっとBUS
○2番バス停より北西回りルート「水墨美術館」下車
地鉄バス
○3番乗場から小杉・高岡方面「五福末広町」下車、徒歩約10分
○7番乗場から四方・呉羽山老人センター・石坂・北代循環行「畑中」下車、徒歩約10分
タクシー
○約10分
富山きときと空港から
タクシー
○約25分
北陸自動車道富山I.C.から
車
○約20分